公立中学と私立中学の学習費はいくら掛かるの?

家計改善

中学から高校まで継続して学習できる学習環境には大きな魅力があり、中学受験をするご家庭が増加しています。そこで、中学校に進学するにあたり公立中学校と私立中学校でそれぞれ掛かる学習費を比較してみましょう。

文部科学省は、2年に1度「子供の学習費調査」を実施しています。令和元年12月18日に、平成30年度の統計が発表されています。この統計資料は公立と私立の幼稚園,小学校,中学校及び高等学校ごとで調査されているため、子供の進学に合わせてどれくらいの学習費が必要となるかの参考になります。そこで、公立中学校と私立中学校の統計データの結果を見ていきたいと思います。

公立と私立それぞれの学習費総額は?

中学校の学費はどれくらいかかるのでしょうか。公立と私立で費用の違いを見ながら、確認していきます。

※「平成30年度子供の学習費調査 2学年(年齢)別,所在市町村の人口規模(学科)別の学習費 (3)中学校」(文部科学省)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00400201&tstat=000001012023)を基に加工して作成

文部科学省の調査によると、1年間に必要な中学校の学習費総額の平均は、公立中学校で48万8397円、私立中学校で140万6433円となっています。差額で91万8036円あり、私立中学校に進学した場合には、公立中学校に進学した場合に比べて3倍近くの費用が掛かっています。

学習費総額の内訳は、大きく「学校教育費」、「学校給食費」、「学校外活動費」の3つで集計されています。次に、各内訳を確認してみましょう。

学校教育費

※「平成30年度子供の学習費調査 2学年(年齢)別,所在市町村の人口規模(学科)別の学習費 (3)中学校」(文部科学省)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00400201&tstat=000001012023)を基に加工して作成

1年間の学校教育費の平均は、公立13万8961円、私立107万1438円となっています。内訳を見てみると、公立と私立の差額が多額となっているのが、授業料とその他の学校納付金です。授業料は、公立では無料となっていますが、私立では授業料が42万8574円となっています。

また、入学金や施設設備資金などを集計したその他の学校納付金についても、公立の6005円に対して私立は25万5578円で大きな金額差があります。その他の項目も全体的に私立の方が掛かることがわかります。

学校給食費

※「平成30年度子供の学習費調査 2学年(年齢)別,所在市町村の人口規模(学科)別の学習費 (3)中学校」(文部科学省)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00400201&tstat=000001012023)を基に加工して作成

学校給食費については、公立が約4万2945円なのに対して、私立は3731円とほとんどかかっていません。私立では給食を実施している学校が少ないためです。

学校外活動費

※「平成30年度子供の学習費調査 2学年(年齢)別,所在市町村の人口規模(学科)別の学習費 (3)中学校」(文部科学省)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00400201&tstat=000001012023)を基に加工して作成

学校外活動費の代表的なものは学習塾費が多額な支出項目となっています。学習塾費が公立20万2965円、私立で15万3365円となっています。公立では高校受験に向けた塾通いが多くなるためです。なお、公立の中高一貫校も増加傾向にありますが、まだまだ少数であり競争率がとても高い状況です。

公立中学校の学年ごとの学費をみてみよう?

文部科学省の調査によると、公立にかかる学年別の学費は下記の通りとなっています。

※「平成30年度子供の学習費調査 2学年(年齢)別,所在市町村の人口規模(学科)別の学習費 (3)中学校」(文部科学省)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00400201&tstat=000001012023)を基に加工して作成

公立において、学校教育費で特徴的なのが入学金と授業料が掛かっていない点です。なお、入学時の費用の中で大きな負担になっているのが、制服代です。公立は私服の学校が多いため制服代は掛かっていないと思います。しかし、中学校では指定の制服がある場合が多くなります。第1学年で4万7821円と多くの費用が掛かっています。また、他に通学カバンなどの学用品を用意するための費用も掛かります。

入学時にかかる費用以外では、修学旅行・遠足・見学費や教科外活動費がかさみます。修学旅行・遠足・見学費は、3年間合計で7万7488円、第3学年だけで4万9884円となっています。

中学校になると部活動なども活発に行われるようになるため、部活やクラブ活動費などの教科外活動費の負担が増加します。

学校外活動費では、学習塾費で顕著な傾向が出ています。高校受験に向けた塾通いをするご家庭が増加するためです。3年間合計で60万2962円の内、半分が第3学年で掛かっています。なお、子供の習い事の費用が集計されている「その他の学校外活動費」は、第3学年では減少しています。

私立中学校の学年ごとの学費をみてみよう?

では、次に私立にかかる学費をみていきます。

※「平成30年度子供の学習費調査 2学年(年齢)別,所在市町村の人口規模(学科)別の学習費 (3)中学校」(文部科学省)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00400201&tstat=000001012023)を基に加工して作成

私立では、公立と異なり入学金や授業料が必要になります。入学時に必要となる入学金や施設費などの金額は学校ごとで異なりますが、その他の学校納付金として第1学年で43万9894円掛かっています。
その他に入学時に掛かる費用として大きいのが制服代という点では公立と変わりないですが、公立の場合と比べ高額です。第1学年で9万2617円となっています。

授業料は3年間合計で128万5713円掛かっています。その他に私立の場合には遠距離通学をする学生も多くスクールバスや電車の定期代などの通学費が掛かる場合が多いです。

まとめ

公立中学校と私立中学校で掛かる学習費の差は入学金と授業料が大きな差となっています。

公立中学校では入学金や授業料が掛かりませんが、私立中学校では授業料と学校納付金として3年間で200万程度掛かります。その他にも、制服代や通学費など私立中学校に進学する場合には費用が多く掛かります。

私立中学校を検討する場合には、入学金や授業料はもちろんですが、その他費用についてもどの程度必要となるか確認しておきましょう。

※出典:文部科学省「結果の概要-平成30年度子供の学習費調査」(https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/mext_00102.html)

タイトルとURLをコピーしました